先日知り合いが「まだ3月なのにタケノコが顔を出し始めた」と言っていた。これはもしかして4月1日恒例の…と思ってナナメに見ていたのだが、どうやら各地で、もうタケノコが掘られ始めているらしい。今朝はテレビでも取り上げていた。
四谷界隈を散歩していると、確かに不思議な光景を目にすることが増えた。東京地方の桜の開花宣言は3月14日だったが、その二日後に幼稚園の桜が咲いて、さらに翌日付近を歩いていたら道端に植栽されているツツジが花開いていた。だいたい桜が終わってからツツジの季節なのだと思うのだが。
一口にサクラと言っても種類はたくさんある。そして種類によって咲く順番がある。1月下旬頃まだ寒いうちに寒緋桜、2月中頃には冬桜や河津桜、3月彼岸の頃には彼岸桜や枝垂れ桜、後を追って大島桜、そして漸くソメイヨシノ。その後山桜や八重桜が咲く。列挙しただけでなんとも美しい風景が目に浮かぶ。
今年近所では枝垂れとソメイヨシノが同時に咲いた。そしてソメイヨシノが満開前に八重桜が咲いていた。さらにツツジは咲くし、ドウダンツツジも3月なのに…というなんだかビックリのてんこ盛り状態。
そして決定打は4月5日。ルーティーンになっている朝のわんこ散歩の途中、わが耳を疑った。何と新宿区四谷・若葉のこの界隈でそれはそれはみごとな鶯の鳴き声! あまりにみごとなので電子音かと思った疑い深いわたしをお許しください。6日も7日もちゃんと聞こえたのです。7日は近所の西念寺の墓地で、何度も何度も繰り返し、枝を移っては鳴いているよう。
でももう異常気象とか何とか、不安をかき立てることは止めようと思った。植物がそれまでとサイクルを変えることがあったとしても、そういう時もあるさ、と考えよう。それより、今この瞬間の美しさや素晴らしさを先ず喜んで受け止めようかな、と。
不安が生むのは不安でしかないのだから。